国民年金の学生納付特例制度
日本国内に住むすべての人は、20歳になった時から国民年金の被保険者となり、保険料の納付が義務づけられていますが、学生を対象に国民年金保険料の支払いを社会人になるまで猶予する「学生納付特例制度」が設けられています。
学生納付特例制度とは
〈メリット〉
〇病気やけがで障害が残ったときも障害基礎年金、死亡時に遺族(「子のある配偶者」、「子」)の方は遺族基礎年金を受け取ることができる。
〇年金を受け取るために必要な期間(受給資格期間)に算入される。
〈対象者〉
大学(大学院)、短期大学、高等学校、高等専門学校、専修学校及び各種学校、(※1)一部の海外大学の日本分校に在学する学生等で、本人の前年所得が基準以下の方。
(※1)各種学校⇒学校教育法で規定されている修業年限が1年以上の課程
〈所得のめやす〉
本年度の所得基準(申請者本人のみ)。家族の方の所得の多寡は問われない。
[118万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等]で計算した額以下である場合
▼学生納付特例制度期間の年金はどうなる
将来受け取る年金の受給資格期間には算入されるが年金額には反映されない。
「納付」「学生納付特例」「未納」の違い。
▼手続きはどうする
①申請書を入手する
申請書は、市(区)役所または町村役場の国民年金窓口や年金事務所、日本年金機構のホームページ等で入手する。
②提出先
提出先は住民票を登録している市(区)役所または町村役場の国民年金窓口です。申請するときは学生証(有効期間が表記されているもの)、または在学証明書が必要です。
③申請後
申請後、日本年金機構より承認または却下通知書が届きます。
「承認通知書」が届いた場合→承認期間は4月~翌年3月の1年間(※)です。
「却下通知書」が届いた場合→保険料を納付しなければなりません。
※すでに保険料を納めた月分は特例の期間になりません。
▼手続きしないとどうなる
万一のことが起こった時に年金が受け取れなくなります。
年金は老後に受け取るだけではなく、病気やけがで障害が残ったときに手続きが行われていることにより、障害基礎年金や遺族基礎年金が受け取れる可能性があるのです。
▼障害基礎年金等との関係は
病気やけがで障害が残ったとき、あるいは死亡といった不慮の事態が生じた場合に、
①その事故が発生した月の前々月までの被保険者期間のうち保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が3分の2以上ある場合
②その事故が発生した月の前々月までの1年間に保険料の未納がない場合
には、障害基礎年金や遺族(「子のある配偶者」、「子」)の方は遺族基礎年金が支給されますが、学生納付特例制度の承認を受けている期間は、保険料納付済期間と同様に当該要件の対象期間になります。
▼老齢基礎年金との関係は
老齢基礎年金を受けとるには、原則として保険料の納付済期間等が25年以上必要です。学生納付特例制度の承認を受けた期間は、この受給資格期間に含まれることになります。ですが老齢基礎年金の額の計算の対象となる期間には含まれません。
▼保険料の追納について
学生納付特例期間については、10年間のうちに保険料を追納することができる仕組みになっています。承認を受けた年度の翌年度から起算して、3年度目以降に保険料を追納する場合には、猶予されていたときの保険料に一定の加算額が加わります。
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