雇用保険二事業助成金の整理統合【平成30年4月1日~】
厚生労働省は、「雇用保険法施行規則及び建設労働者の雇用の改善等に関する法律施行規則の一部を改正する省令」を3月31日に公布しました。4月1日から17種類の雇用保険二事業を13種類に整理統合し、助成内容も一部見直します。
雇用調整助成金
変更なし。
労働移動支援助成金
〈見直し〉
「再就職支援コース」における再就職支援委託時の助成を廃止。
〈廃止・統合〉
「人材育成支援コース」及び「移籍人材育成支援コース」を廃止。
『労働移動支援助成金』は、事業規模の縮小などに伴い離職を余儀なくされる労働者の、再就職援助のための措置等を講じる事業主に対して助成する制度です。
平成30年4月1日から「再就職支援コース」の再就職支援(民間の職業紹介事業者に費用を負担して委託した事業主に対する助成)について、再就職支援委託時の助成を廃止。
また、再就職援助計画対象者等を期間の定めのない労働者として雇い入れ、訓練を実施した事業主に対し、要した経費の一部を支給していた「人材育成支援コース」や、移籍により受け入れた労働者に対し訓練を実施した事業主に対し、経費の一部を支給していた「移籍人材育成支援コース」などを平成30年3月31日で廃止。
65歳超雇用推進助成金
〈見直し〉
「65歳超継続雇用促進コース」の支給要件や支給額の見直し。
「高年齢者雇用環境整備支援コース」の要件見直し。
「65歳超継続雇用促進コース」の支給要件に関しては、高年齢者雇用推進の選任に加え、管理措置(勤務時間の弾力化など)を講じた事業主であることが追加されました。支給額については、60歳以上の被保険者が2人以下の場合及び10人以上の場合の支給額が改正されました(3~9人の場合はそのまま)。
「高年齢者雇用環境整備支援コース」については対象事業主の要件に、高年齢者向けの「65歳への定年引上げ」「66歳以上への定年引上げ又は定年の廃止」の措置の実施状況及び高年齢者雇用環境整備計画の終了日の翌日から起算して6か月を経過する日までの期間における当該措置の実施後の状況を明らかにする書類を提出することを追加。
特定求職者雇用開発助成金
変更なし。
トライアル雇用助成金
〈見直し〉
「障害者トライアルコース助成金」の見直し。
〈廃止・統合〉
「建設労働者確保育成助金」の一部を『トライアル雇用助成金』へ統合。
「障害者トライアルコース助成金」については、精神障害者等について、一人あたりの支給額の割増等を実施。
『建設労働者確保育成助成金』の「若年・女性労働者向けトライアル雇用助成コース」を統合(内容に変更はありません)。
地域雇用開発助成金
〈見直し〉
「地域雇用開発コース奨励金」の熊本への暫定措置を延長。
「地域雇用開発コース奨励金」の熊本への暫定措置を所要の見直しを行った上で、平成31年3月31日まで延長。
通年雇用奨励金
変更なし。
両立支援等助成金
〈見直し〉
「出生時両立支援コース助成金」の見直し。
「介護離職防止支援コース助成金」の見直し。
「育児休業等支援コース助成金」の見直し。
「出生時両立支援コース助成金」の助成金の支給要件のうち、過去3年以内に男性の育児休業取得者がいないことという要件をくすとともに、育児休業取得者に対する助成を1年度に10人まで支給することとし、2人目以降の育児休業取得者については助成額を増額する。また、男性の育児目的休暇制度の導入時の助成も新設。
「介護離職防止支援コース助成金」の支給要件について、介護休業期間を現行の1か月以上から2週間以上に緩和。また、事業主に対する助成金の支給要件も、制度利用期間を現行の3ヶ月以上から6週間以上に緩和。
「育児休業等支援コース助成金」の見直しに関しては、育児休業からの復帰後、仕事と育児の両立が特に困難な時期を支援するための休暇制度を導入、運用した事業主に対する助成制度を設ける。
人材確保等支援助成金
〈廃止・統合〉
『職場定着支援助成金』、『人事評価改善等助成金』、及び『建設労働者確保育成助成金』の一部コースを整理統合。
『職場定着支援助成金』、『人事評価改善等助成金』、及び『建設労働者確保育成助成金』の一部コースを整理統合の上、「設備改善等支援コース」を創設し、『人材確保等支援助成金』として運用。
キャリアアップ助成金
〈見直し〉
「正社員化コース助成金」の見直し。
「賃金規定等共通化コース助成金」の見直し。
「諸手当制度共通化コース助成金」の見直し。
「正社員化コース助成金」の要件を厳格化。労働契約法による無期転換が実施されることを踏まえ、有期労働契約から転換した場合の助成対象を雇用期間3年以下に限定する。
その他、「賃金規定等共通化コース助成金」と「諸手当制度共通化コース助成金」は、正社員と共通の賃金規定等・諸手当制度を適用した有期契約労働者等の人数に応じて、加算措置を設ける。
障害者雇用安定助成金
〈見直し〉
『障害者雇用促進等助成金』を『障害者雇用安定助成金』と改正。
「障害者職場定着支援コース助成金」の拡充。
「障害者職場適応援助コース成金」の見直し。
〈廃止・統合〉
『中小企業障害者多数雇用施設設置等助成金』を「中小企業障害者多数雇用施設設置等コース」に統合。
「障害者職場定着支援コース助成金」に中高年齢障害者の雇用継続支援として、職務内容や職場環境の整備を行った場合の助成を行う措置を新たに設置。
「障害者職場適応援助コース成金」の見直しでは、平成30年度からの障害者雇用率の引上げにより、精神障害者の雇用が増加すると予想されることから、精神障害者に対する支援を行う場合の助成額を割増。
中小企業障害者多数雇用施設設置等助成金
〈廃止・統合〉
『中小企業障害者多数雇用施設設置等助成金』を『障害者雇用安定助成金』の「中小企業障害者多数雇用施設設置等コース」に統合。
生涯現役起業支援助成金
〈見直し〉
『生涯現役起業支援助成金』の上乗せ助成の新設。
雇用創出措置に係る助成を受給した事業主であって、その後一定期間経過後に生産性が6%以上向上している場合、別途、生産性向上に係る助成金を支給。
人材開発支援助成金
〈廃止・統合〉
『キャリアアップ助成金』の「人材育成コース」を統合。
『障害者職業能力開発助成金』を統合。
『建設労働者確保育成助成金』の一部を統合。
障害者職業能力開発助成金
〈廃止・統合〉
『障害者職業能力開発助成金』は『人材開発支援助成金』へ統合。
建設労働者確保育成助成金
〈廃止・統合〉
「若年・女性労働者向けトライアル雇用助成コース」を『トライアル雇用助成金』の「若年・女性建設労働者トライアルコース」へ統合。
一部を『人材確保等支援助成金』に統合。
一部を『人材開発支援助成金』に統合。
参照:厚生労働省HP
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/
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