雇用保険料率が平成29年4月から引き下げ
雇用保険の積立金は景気回復による雇用情勢の改善で過去最高の6.4兆円規模に達しています。
雇用保険料率は昨年引き下げたばかりですが、厚生労働省の労働政策審議会の答申を踏まえ、「雇用保険法等の一部を改正する法律案」が平成29年3月31日に国会で成立し、保険料率が2年連続の引き下げとなりました。
国庫負担も平成29年度から平成31年度まで時限的に2.5%(改正前は13.75%)に引き下げられました。これにより国庫負担額は、年間約1,100億円の減額になります。
改正のポイント
①失業等給付の保険料率は、労働者負担・事業主負担ともに0.1%ずつ引き下がります。 ②雇用保険二事業の保険料率(事業主のみ負担)は、引き続き0.3%です。 |
平成29年度の雇用保険料率
平成29年4月1日から平成30年3月31日までの雇用保険料率は以下のとおりとなります。
雇用保険料率以外の制度変更
雇用保険法等の一部を改正する法律案の主な内容は次のとおりです。
①リーマンショック時に創設した暫定措置を終了する一方で、雇用情勢が悪い地域に居住する人の給付日数を60日延長する暫定措置を5年間実施。また、災害により離職した人の給付日数を原則60日(最大120日)延長。
②雇止めされた有期雇用労働者の所定給付日数を、倒産・解雇等並みにする暫定措置を5年間実施。
③倒産・解雇等により離職した者の所定給付日数の引上げ〔30〜35歳未満:90日→120日 35〜45歳未満:90日→150日〕(平成29年4月1日施行)
雇用保険料率とは
雇用保険料率は、会社と会社に勤める労働者が折半で費用を負担する失業等給付の料率に、会社が負担する雇用保険二事業の料率を加えたものです。
このうち、失業等給付の料率については、「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」の規定に基づき、雇用保険受給者実人員の状況や積立金の状況を勘案し、一定の範囲内で厚生労働大臣が、労働政策審議会の意見を聴いて変更することが可能とされています。
厚生労働省ホームページ
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koyouhoken/index.html
スポンサーリンク
関連記事
-
-
第48回(平成28年度)社労士試験にでる!?法改正情報まとめ
第48回(平成28年度)社労士試験にでる!? と思われる法改正情報をまとめてみました。法改正部分は毎
-
-
パートタイム労働法の一部が変わります。
パートタイム労働者の公正な待遇を確保し、雇用管理の改善を促進するためにパートタイム労働法が変わります
-
-
高額療養費制度が変わりました。(平成27年1月診察分より)
平成27年1月診察分より、高額療養費の自己負担限度額について、負担能力に合う負担を求める観点から、7
-
-
平成30年1月から「移転費」の支給対象者の要件が拡充!【平成30年1月1日施行】
平成29年3月31日に成立した「雇用保険法等の一部を改正する法律」により、UIJターンを希望する者を
-
-
現物給与の価額の一部が改定されました。
平成26年4月1日より社会保険に係る現物給与の額が改定されました。 報酬や賞与の全部
-
-
障害年金の額(障害等級)の改定請求にかかる待機期間の一部緩和【平成26年4月1日施行】
障害基礎年金または障害厚生年金を受けている方の障害の程度が増進した場合、今までは障害年金を受ける権利
-
-
改正パートタイム労働法が施行されます【平成27年4月1日施行】
パートタイム労働者の公正な待遇を確保し、納得して働くことができるように改正パートタイム労働法が平成2
-
-
失踪宣告を受けた者の死亡一時金の請求期間の取扱いを変更
失踪宣告の審判の確定日の翌日から2年以内に死亡一時金の請求がある場合は死亡一時金を支給することになり
-
-
傷病手当金・出産手当金の計算方法が変わります(平成28年4月から)
平成27年度健康保険法改正が行われ、平成28年4月より傷病手当金・出産手当金の給付金額の計算方法が変
-
-
ストレスチェック制度(平成27年12月1日施行)
メンタルヘルス対策の充実・強化等を目的として、50人以上の労働者を常時雇用する全ての事業場に、ストレ