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一般常識対策!平成28年版厚生労働白書を読み解く

公開日: : 一般常識

「平成28年版厚生労働白書」を読み解いていきます。やるべきことが多くあり時間も限られていますので、重要となる箇所を順位付けし、最優先項目から順に勉強していきましょう。

今年の白書は、以下の2部構成となっていますが、今回は第1部のみに焦点をあてていきます。

第1部は、毎年異なるテーマになっており平成28年度は、「人口高齢化を乗り越える社会モデルを考える」をテーマに、高齢期の暮らしに関する制度や国民の意識などを概観しつつ、地域に暮らす全ての人々が生きがいを共に創り、高め合う「地域共生社会」の実現を目指すという方向性を提示しています。

ちなみに第2部のテーマは、「現下の政策課題への対応」です。子育て、雇用、医療・介護、年金など、厚生労働行政の各分野について最近の施策の動きをまとめています。

第1部 人口高齢化を乗り越える社会モデルを考える

第1章 我が国の高齢者を取り巻く状況

第1節 高齢化の状況

1 総人口の推移

2008(平成20)年には1億2,808万人とピークに達しましたが、その後は減少局面に転じ、2015(平成27)年の総人口は1億2,711万人と5年連続で減少しています。2048(平成60)年には9,913万人と1億人を割り込むと推計されています。

2 人口構成の変化

今後も高齢化は急速に進展し、2050年には65歳以上の高齢者1人を1.2人の現役世代で支えるようになり、2060年には約2.5人に1人が高齢者となる見込みです。

3 地域別に見た高齢化の状況

大都市圏に属する都府県や沖縄県で高齢化率は低く、それ以外の地方圏で高い傾向にあります。2014年時点と比較して今後も、全ての都道府県で高齢化率は上昇し、最も低い沖縄県でも高齢化率が30%を超える見込みとなっています。

4 平均寿命と健康寿命

平均寿命と健康寿命はともに延びていますが、その差、すなわち、日常生活に制限のある「不健康な期間」で見ると、2001年から2013年にかけて、男性で8.67年から9.02年、女性で12.28年から12.40年へと若干広がり縮まっていません。

今後も平均寿命はさらに延びることが予測されており、健康寿命を延ばす(不健康な期間を短縮する)ことが重要となっています。

5 死亡の動向

人口の高齢化を反映して死亡数は緩やかな増加傾向に転じ、2003(平成15)年に100万人を超え、2015(平成27)では、死亡数129万人、死亡率10.3となっています。

将来の推移(出生中位・死亡中位推計)を見てみると、死亡数は2039(平成51)年に167万人とピークを迎えた後、減少していくことが見込まれています。

第2節 高齢者の暮らしの状況

1 高齢者の居住状況

高齢者のいる世帯数は、約30年前に比べて2倍以上に増加しています。「単独世帯」は全世帯の4分の1を占め、「夫婦のみ世帯」と合わせると半数を超える状況です。

2 高齢者の経済状況

高齢者はその他の世代に比べて貯蓄額は多く持ち家率も高いことから、平均的に見れば、それなりの生活水準が維持出来ているといえます。一方で、年齢階級別に生活保護受給者数の構成割合を見ると、受給者総数に占める60歳以上の高齢者の割合は5割を超えています。

3 高齢者の社会参加

近所付き合いの程度は、単身世帯、賃貸住宅で低く、また、近所の人たちと親しくつきあっている人ほど、健康状態は良い傾向にあります。

第3節 高齢期の就労の状況

1 高齢者の労働力人口

65歳以上の労働力人口は744万人と前年に比べ48万人増加しました。1970年と2015年の労働力人口総数に占める65歳以上労働力人口の割合を比較すると、4.5%から11.3%と約2.5倍に増えており、労働力人口の構成においても高齢化の傾向が見てとれます。

2 高齢者の就業者数と就業率

2015年の60歳以上の就業者数(就業率)について見てみると、60~64歳は534万人(62.2%)、65~69歳は399万人(41.5%)と年々増加し、60歳以上の男性の就業率は各国と比較して高水準にあります。

3 ハローワークにおける高齢者

2005年度と比べると、65歳以上の高齢者の就職件数は3.5倍増加し、新規求職者数は2倍以上に増加しています。

4 高齢者の就業形態

65歳以上の非正規の職員・従業員の割合が7割以上であり、高齢になるにつれ割合が大きく増えています。

5 今後の労働力人口

2015(平成27)年の労働力人口よりも減少する見込みですが、「経済成長と労働参加が適切に進むケース」では、65歳以上の高齢者数が増加する予測となっています。

6 高年齢者雇用確保措置について

継続雇用制度の雇用形態は、自社の正社員以外(嘱託・契約社員・パート等)が約7割となっています。

7 65歳以降の雇用確保

65歳以降の雇用確保措置を実施する際の措置は、「継続雇用者の処遇改訂」が3割以上となっています。

8 地域の日常生活に密着した仕事を提供するシルバー人材センター

2014年度現在で法人数1,272、会員数72万人となり、高齢者の就業機会確保のための基盤として一定の機能を果たしています。

 

↓時間を見つけて目を通すだけでもだいぶ違いますよ。

厚生労働白書〈平成28年版〉人口高齢化を乗り越える社会モデルを考える


第2章  高齢期の暮らし、地域の支え合い、健康づくり・介護予防、就労に関する意識

第1節 高齢者の意識

意識調査の結果では、健康上及び経済上の問題で、老後に不安を感じる割合が高く出ています。

第2節 暮らしに関する意識

1 老後は誰とどのように暮らすか

70歳以上の6割以上の人が、家族との同居または近居を希望しています。

2 高齢期に生活したい場所

自宅が7割以上と最も多く、住み慣れた場所を希望する傾向にあります。また、暮らすために必要なことは、5割以上が医療機関が身近にあることと答えています。

3 高齢期の一人暮らしに関する認識

病気や介護になった時に不安を感じている人が8割以上です。

4 高齢期に頼る相手及び期待するサービス

日常生活で困った時に頼る相手は子どもや孫が5割以上です。期待するサービス等は病気や外出の手伝いなど日常生活支援に関するものが多く挙げられています。

5 老後の一人暮らしの際に住みたい場所の条件

病院などの近くにあること、また買い物がしやすいこと等日常生活に絡む条件を重視しています

6 どこで介護を受けたいか

多くの人が自宅での介護を希望しています。

7 最期を迎える場所

5割以上が自宅を希望しています。ですが、急変時の対応や家族への介護の負担に不安を感じている方も多くいます。

第3節 地域の支え合いに関する意識

1 地域の支え合い

地域に愛着があると答えた方が5割以上です。

2 現在住んでいる地域で高齢期になっても住みつづけたいか

高齢期になっても住み続けたいと思う方が7割以上です。「思う」理由の約9割が住み慣れているからです。

3 地域で困っている人がいたら助けようと思うか

助けようと思う人が約7割と多く、助けようと思わない人の理由は「ふだん付き合う機会がないから」が最多です。

4 実施したいと思う支え合い活動と有効だと思う施策

「見守り・安否確認」などを実施したいと答えた方が多く、要援護者の支援マップづくりなどの環境づくりが求められています。

第4節 健康づくり・介護予防に関する意識

1 高齢者であると思う年齢

70歳以上との答えが4割以上です。その年齢はなにかしら健康上の問題で日常生活に影響がでる頃で、健康寿命に近い70歳を超えたあたりと言えそうです。

2 健康寿命を延ばすために重要なこと

高年齢になると「休養や睡眠を十分にとること」が減少する一方で、「適度に運動すること」や「バランスの良い食事や孤食を防ぐこと」が増加する傾向にあります。

3 健康づくり・介護予防の取組みとしていいと思う施策

「運動施設の整備」や「健康診断に関すること」及び「健康に関する効果的な広報」等の順番となっています。

第5節 就労に関する意識

1 働ける年齢

「65歳を超えて働きたい」と思う割合は約7割となっていて、就業意欲の高さがうかがえます。

2 働く理由

「経済上の理由」が約7割で最多となり、高齢者になると「生きがい、社会参加のため」や「健康上の理由」が上昇しています。

3 就労にあたり重視すること

男女ともに健康を主に重視しつつ、男性は能力の発揮を、女性は勤務日・時間を重視する傾向にあります。

4 60歳以降に希望する就労形態

「パートタイム(短時間勤務など)の社員・職員」が5割以上となっています。ただし、男性は女性より「フルタイム社員・職員」を選ぶ傾向が高く表れています。

5 高齢期の就労にあたり、企業に望むこと・国の取り組むべき施策

3割以上が、「健康や体力に配慮した配置などの健康管理」と答えています。

 

↓「労働経済白書」も要チェックです。

労働経済白書〈平成28年版〉誰もが活躍できる社会の実現と労働生産性の向上に向けた課題


第3章 高齢期を支える医療・介護制度

第1節 医療保険制度

1 我が国の医療保障制度

ドイツ、フランスは社会保険方式、英国、スウェーデンは税方式、アメリカは民間保険が中心となっています。

2 我が国の医療保険制度

職域保険と地域保険の2本建て、75歳以上は後期高齢者医療制度という構成による国民皆保険により、世界最長の平均寿命と高い保健医療水準を達成しています。

第2節 医療提供制度

1 制度の基本構造

医療提供体制にかかる施策体系は、医療施設について規定する医療法と医療従事者について規定する医師法等を中心に構成されています。

2 指標から見る我が国の医療提供体制の現状

有床診療所は大幅に減少する一方で、無床診療所が増加する傾向にあります。医師数は年々増加し、2014年では20年前の1.3倍程度となっています。都道府県により医師数にばらつきがあり、地域の医師確保対策を進めています。

3 国際比較による我が国の医療提供体制の現状

人口1,000人当たりの総病床数は諸外国と比べて多く、1.6倍~4.8倍となっています。諸外国と比較して人口当たりの臨床医師数及び病床当たりの臨床医師数は少ない状況にあります。

4 医療計画制度

「医療計画」とは、医療法の規定に基づき都道府県が策定する計画であり、概ね5年に1回改正されています。

第3節 介護保険制度

1 介護保険制度創設の経緯

介護保険制度創設前の老人福祉政策は、1963(昭和38)年に老人福祉法が制定されたことにより始まりました。

2 介護保険制度の基本的な仕組み

介護保険制度は、市町村及び特別区が運営主体(保険者)となり、国と都道府県は、財政面及び事務面から市町村を支援する体制となっています。

↓雑誌等にも、詳しい内容が掲載されていますので参考にしてください。

社労士 法改正・白書・統計 完全無欠の直前対策 2017年度


第4章 人口高齢化を乗り越える視点

第1節 意欲と能力のある高齢者の活躍する「生涯現役社会」

1 現在の状況

少子高齢化が進展し、2060(平成72)年には高齢化率は、40%近い水準となることが推計されています。

2 今後の高齢者の活躍に向けた取組み

65歳を超えても働きたい高齢者の就業機会を確保していくことが重要な課題であり、2016年の雇用保険法等の一部改正などにより、シルバー人材センターの機能強化など65歳以降に働きたい方のための整備をすすめています。

第2節 健康づくり・疾病等の予防の取組み

1 客観的なデータ分析の結果を根拠とした政策の実施

健康・医療情報の電子化に伴い、医療保険者に集積している情報を活用して効果的・効率的な保健事業を行うデータヘルス計画の取組みが始まっています。

2 健康づくりに取り組むインセンティブの改革

健康寿命の延伸のためには、ひとりひとりが意識して自らの疾病を予防し、健康づくりを行っていくことが何よりも重要であるという考えから、国はインセンティブ改革の制度設計を行う旨を掲げています。

3 健康づくり施策を実施する主体の連携

保険者と事業主が協働して従業員の健康づくりの推進を行う「コラボヘルス」という取組みが行われています。さらに、全国で行われている取組みを横展開するため、経済界・医療関係団体・自治体のリーダーで組織する「日本健康会議」が2015年7月に発足しました。

4 フレイル対策

高齢者の虚弱(フレイル)対策の具体的な取組みとして、管理栄養士等の専門職が訪問等して支援する事業を行っています。

第3節 地域で安心して自分らしく老いることのできる社会づくり

1 地域包括ケアシステムとは何か。今、なぜ地域包括ケアシステムなのか。

疾病構造が変化するとともに、高齢化によって複数の慢性疾患を抱えながら地域で暮らす人が増加しています。このような変化に対し、「治す医療」から「治し、支える医療」への転換が求められています。

2 医療

予算、診療報酬、医療計画のそれぞれによって在宅医療の体制整備を進めており、平成28年度診療報酬改定でも、地域包括ケアシステムの構築に向け「地域・在宅」を重視した改定を行いました。

地域における医療機関や介護事業者などの間で、情報通信技術(ICT)を活用したネットワークを構築し、情報の共有・連携を図ることで地域の医療・介護サービスの質の向上や効率的な提供につなげようとしています。

3 介護

認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)により、7つの柱を設定し施策に対応する具体的な数値目標を設定しています。

4 住まい

有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など、高齢者向け住まいについては、近年に急激に増加しています。

5 まとめ

「地域包括ケアシステム」の構築のためには、地域全体で目指すべき方向性を共有するとともに、多主体の連携・ネットワーク構築という地域づくりが不可欠となっています。

第4節 暮らしと生きがいをともに創る「地域共生社会」へのパラダイムシフト

1 背景

背景として、核家族化や移動性・流動性の高まりを背景に地縁・血縁による支え合いの機能が低下している現状があります。

2 地域の状況に照らした共生型の地域社会の再生に向けて

住民の主体的な福祉への参加により、支え・支えられる共生型の地域社会の再生が求められ、それを通じて住み慣れた地域で生きがいや社会的役割を持つことで豊かな生活につながることを期待されています。

3 新しい地域包括支援体制の構築

支え手と受け手を二分するのではなく、地域住民が支え合いながら自分らしく活躍できる地域コミュニティを育成し、全ての人々が地域、暮らし、生きがいを共に創り、高め合うことができる「地域共生社会」の実現を目指しています。

4 総合的な福祉人材の育成・確保

新しい福祉サービスの提供体制を担う人材の育成・確保を目指し以下の施策を進めています。

①総合的な見立てを行えるコーディネート人材の配置、
②福祉分野横断的な基礎知識の研修の実施
③多様なキャリア形成支援・人材移動促進のための環境整備
④潜在有資格者の再就業促進
⑤介護人材の機能分化
⑥参入促進により人材の育成・確保

参照:厚生労働省HP
http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/16/

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