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退職後の傷病手当金と失業等給付(雇用保険の基本手当)は併給できるのか?

公開日: : 最終更新日:2015/03/13 健康保険法, 雇用保険法

退職後の傷病手当金を受給できる方の中には雇用保険の基本手当の支給要件を満たしている方もいるでしょう。そこで退職後の傷病手当金と雇用保険の基本手当は同時に受給することができるのか?を考えてみたいと思います。

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傷病手当金とは


被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されるものです。

支給される条件

次の①から④の条件をすべて満たしたときに支給されます。

①業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること

業務上・通勤災害によるものや美容整形など病気と見なされないものは対象外です。

②仕事に就くことができないこと

仕事に就くことができない状態の判定は、療養担当者の意見等をもとにし、被保険者の仕事の内容を考慮して判断されます。

休業を命じられていてもその症状から労務不能と認められない場合、保険範囲外の疾病等の手術をしたために労務不能となった場合などは認められません。

③連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと

仕事を休んだ日から連続する最初の3日間は待機として傷病手当金は支給されません。4日目以降の仕事に就けなかった日に対して支給されます。

④休業期間中に給与が支払われていないこと

休業中の生活保障を行う制度のため、給与が支払われている間は支給されません。ただし、給与の支払いがあっても、傷病手当金の額よりも少ない場合はその差額が支給されます。

支給される期間

支給される期間は支給開始した日から最長で1年6ヵ月です。これは、1年6ヵ月分が給付されるということではなく、1年6ヵ月の間に仕事に復帰した期間があり、その後再び同一の病気やケガにより仕事に就けなくなった場合でも1年6ヵ月に算入され延長はされません。

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支給される傷病手当金の額

1日につき被保険者の標準報酬日額の3分の2に相当する額が支給されます。

退職後の傷病手当金


退職などにより被保険者の資格を喪失した場合でも、資格喪失の日の前日(退職日等)まで被保険者期間が継続して1年以上あり、被保険者資格喪失日の前日に現に傷病手当金を受けているか受けられる条件を満たしていれば、資格喪失後も支給対象期間まで引き続き支給を受けることができます。

継続していることが要件であり傷病手当金を受給中に症状が回復し仕事に就くことができる状態になり、いったん傷病手当金の受給が終了すれば、それ以降に再び症状が悪化し就労できない状態となっても、資格喪失後の傷病手当金は受給することができません。

失業等給付(雇用保険の基本手当)とは


雇用保険の被保険者が離職して、求職の申込みを行い就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、職業に就くことができない失業の状態にあり、原則、離職日以前2年間に被保険者期間が通算して12か月以上ある場合に基本手当が支給されます。

雇用保険の受給期間は、原則として、離職した日の翌日から1年間(所定給付日数330日の方は1年と30日、360日の方は1年と60日)ですが、その間に病気、けが、出産等の理由で引き続き30日以上働くことができなくなったときは、その日数だけ受給期間を延長することができます。ただし、延長できる期間は最長で3年間となっています。

退職後の傷病手当金と失業等給付(雇用保険の基本手当)は併給できるか?


退職後の傷病手当金と失業等給付(雇用保険の基本手当)を同時に受給できるかを考える際に、雇用保険の「失業」の定義をもう一度整理しておきましょう。

「失業」とは就職しようとする意志と、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、職業につくことができない状態

雇用保険でいう「失業」とはいつでも就職できる能力があるのに就職できない状態です。ですので、病気やケガで働くことができない状態は「就職できる能力がある」といえません。

ここで傷病手当金と失業等給付を比較すると、

傷病手当金を受給する→病気やケガで仕事をすることができない
失業等給付(雇用保険の基本手当)を受給する→仕事をする意志も能力もある

このことから資格喪失後の傷病手当金と失業等給付は、相反する目的で支給される保険給付ですので併給することができません。

傷病手当金は労務不能状態であるから受給できる給付ですし、失業等給付は働くことができる状況でなければ受給できない給付なのです。

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